○グリーンキーパーはこんな人

グリーンキーパーはこんな人

株式会社札幌ドーム、グリーンキーパー小檜山尚登さんと藤野

Q1グリーンキーパーをしていてうれしかったエピソードはありますか?

A1とにかくコンサドーレ札幌や日本代表がここで勝ってくれることが何よりうれしいですし、勝ってくれると次の試合のためにもまた頑張って芝生を管理していこうと言う気になります。新しいシーズンを迎える前にチームは毎年、何人かの新しい選手が加わりますが、その選手が札幌ドームの芝を初めて体感した後に素晴らしいとコメントしてくれた時にはうれしいですね。それから去年のことですが、名古屋グランパスエイト戦の試合前のピッチインスペクションの時に、たまたまアウエーのベンチ前にいた名古屋グランパスエイトのストイコヴィッチ監督が手で芝を指してから私に向かってグッドのポーズをしてくれたことが印象に残っています。妖精ピクシーと呼ばれて慕われていた元世界の名プレイヤーが評価してくれたわけですから素直にうれしかったですね。

Q2札幌ドームでは数々のドラマが生まれていますが思い出深い話はありますか?

A2やはり、大きな感動と興奮を覚えたのは、2007年のJ2リーグ最終節(52節)のコンサドーレ札幌対水戸ホーリーホック戦です。前節まで勝点がコンサドーレ札幌88点、東京ヴェルディ88点、ベガルタ仙台85点と最終節まで優勝争いと自動昇格争いがもつれていた大接戦のJ2リーグでしたが、札幌は水戸ホーリーホックに2対1の逆転勝ちをおさめ、さらにJ2の優勝が決まった試合でした。世間では東京ヴェルディの勢いから「優勝は東京ヴェルディだ」と言う声が大きかったですが、何故か私は冷静に分析していて、ライバルの2チームは対戦チームの相性の悪さから引き分けに終わる気がして、「絶対に札幌が優勝する」と言う変な自信が当日の朝からありました。試合開始前から社内の人間には札幌が絶対に優勝するとふれ回っていたのが思い出されます。6年ぶりのJ1昇格を決めた試合でしたが、決まった瞬間は熱いものが込み上げてきて目頭が熱くなったのを覚えています。チーム関係者や社内の芝生管理スタッフと熱く固い握手を片っ端からしていました。J2からなかなか這い上がれなかっただけにあの感動は今も忘れられません。この日が来ることを信じて、いつも最高のピッチコンディションを作ってくれた芝管理スタッフにも大変感謝しています。

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