■暖地型芝&寒地型芝共通の主要病害と防除

暖地型芝&寒地型芝共通の主要病害と防除

1.さび病

宿主はコウライシバ、ノシバ、バミューダグラス、ベントグラス、ブルーグラス、ライグラス、フェスクなど。

葉上に形成された橙色、赤茶色の胞子で衣服や靴が汚れたりします。

被害は寒地型芝の方が大きく、激発すると部分的に枯死することもあります。肥料不足により発生することがあります。

肥料をあげてない場合は、施肥を行うことで収まります。また、肥料過多によっても発生することがあります。

窒素(N)を多く含む肥料を過度に与えないことや、頻度よく芝刈りをすることが大切です。つまり、適量の施肥を行うことがポイントになります。

適合する殺菌剤を散布することにより防除します。枯死している場合は、張替えや種まきを行います。

2.ダラースポット病

宿主はすべての芝草。パッチは灰色または灰褐色、円形、不定形で、大きさは2~10センチ程度。単発のパッチは1ドルコイン(米ドル)ほど。

放置すると枯死し、裸地化していきます。朝露が降りているときに観察をするとクモの巣のようにも見える菌糸体が見つかることがあります。

窒素(N)が欠乏すると発生が助長されますので、施肥をします。靴の裏や芝刈り機などで伝播しないように注意します。

適合する殺菌剤を散布することにより防除します。予防散布がおすすめです。発生後の回復には時間を要します。

枯死している場合は、張替えや種まきを行います。

3.フェアリーリング病

宿主はすべての芝草。病原菌のキノコ類(コムラサキシメジ、シバフタケ、ホコリタケなど約40種類)が発生し、パッチはキノコの種類によって特徴があります。

コムラサキシメジは直径数~数10メートル以上にもなる大型、シバフタケは直径1~数メートル、ホコリタケは直径数10センチ以上のリング。

雨期はパッチ部分の芝生が濃緑色となりきれいに見えますが、乾期になると芝生が枯死していきます。土壌にピートモスなどの繊維質改良材を過度に入れないようにしたり、植物残渣を埋めないようにします。適合する殺菌剤を散布することにより防除します。

10センチ程度の深さにまで生息するので、通常よりも高濃度で多量に殺菌剤を散布します。

発生したらその都度、繰り返し散布をし、根気よく防除します。枯死している場合は、張替えや種まきを行います。

4.雪腐小粒菌核病(雪腐病)

宿主はすべての芝草。積雪があっても地温が高く、土壌の凍結が短い地域で発生しやすいです。

融雪後に不定形の淡褐色、または褐色のパッチが見つかります。水はけが悪いところに発生しやすいため、排水をよくします。

適合する殺菌剤を散布することにより防除します。根雪直前に予防散布します。枯死した場合は、張替えや種まきを行います。

 

5.紅色雪腐病(雪腐病)

宿主はすべての芝草。融雪後に不定形の淡桃色または桃色のパッチが見つかります。

雪が積もらなくても幼弱な芝生に発生しやすく、不定形の淡褐色または褐色のパッチとなります。

水はけが悪いところに発生しやすいため、排水をよくします。適合する殺菌剤を散布することにより防除します。

根雪直前に予防散布します。枯死した場合は、張替えや種まきを行います。

 

6.ほこりかび病

宿主はすべての芝草。雨期に線状や、小さなスポットで現れます。胞子は白色、灰色、褐色、紫色と様々。葉は黄化することがありますが、枯死することはありません。

サッチ層が厚いと発生しやすいので、サッチコントロールが大切。

水はけが悪いところに発生しやすいため、排水をよくします。

有効な殺菌剤

殺菌剤は使用しません

7.藻

すべての芝地に発生することがあります。 高温過湿の土壌に多発します。

応急処置としては、適合する芝生専用の殺菌剤を散布することにより防除します。

根本的な改善には、日照や風通しを良くしたり、排水性を高め、芝生に適する土性に改善します。

よく見られるイシクラゲは藻の一種ですが、殺菌剤では駆除が困難なため、酸性の肥料等を散布すると効果的です。

芝生に発生する糸状菌の伝染性病害。防除のしかたはコレ!

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