■暖地型芝の主要病害と防除

暖地型芝の主要病害と防除

1.葉腐病(ラージパッチ)

宿主はコウライシバ、ノシバ、セントオーガスチングラスなど。パッチは褐色、円形または不定形で、大きさは直径10センチ程度~数メートルと様々。

活動中のパッチは周縁部に赤褐色帯が形成し、病原菌は地下部も侵害します。放置すると葉も減少して裸地化していきます。

土壌pHがアルカリ性になると発生が助長される傾向にあります。水はけが悪いところに発生しやすいため、排水をよくします。

適合する殺菌剤を散布することにより防除します。予防散布がおすすめです。

発生後の回復には時間を要します。枯死している場合は、張替えや種まきを行います。

2.擬似葉腐病(リゾクトニア性春はげ症)

宿主はコウライシバ、ノシバなど。パッチは褐色、円形または不定形で、萌芽時に直径30~50センチ程度。

梅雨ごろに自然治癒します。サッチ層が厚いと発生しやすいので、サッチコントロールが大切。病原菌が組織内に侵入するのは晩秋で、休眠期前に適合する殺菌剤を散布することにより防除します。

春にパッチが出現してからでは効果がありません。枯死している場合は、張替えや種まきを行います。

3.擬似葉腐病(象の足跡)

宿主はコウライシバ、ノシバなど。その形状から「象の足跡」と呼ばれます。パッチ全体が褐色になったり、リング状になる場合があり、直径30~50センチ程度。発生は地上部に限られ、地下部までは侵害されません。サッチ層が厚いと発生しやすいので、サッチコントロールが大切。

病原菌が組織内に侵入するのは晩秋で、休眠期前に適合する殺菌剤を散布することにより防除します。

春にパッチが出現してからでは効果がありません。枯死している場合は、張替えや種まきを行います。

4.カーブラリア葉枯病(犬の足跡)

宿主はバミューダグラス、コウライシバ、ノシバなど。パッチは褐色または黒褐色、円形で、大きさは直径数~20センチ程度。パッチが融合して不定形に見える場合もあります。降雨の後には急速に広がる場合もあります。サッチ層が厚いと発生しやすいので、サッチコントロールが大切。土壌pHがアルカリ性になると発生が助長される傾向にあります。

水はけが悪いところに発生しやすいため、排水をよくします。過度の乾燥を防ぐこと、窒素(N)を多く含む肥料を過度に与えないこと、刈高を低くしないことも大切です。適合する殺菌剤を散布することにより防除します。予防散布がおすすめです。

発生後の回復には時間を要します。枯死している場合は、張替えや種まきを行います。

 

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